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朗読できる名文 [本]

 伊藤桂一『蛍の河』読了。

蛍の河.jpg

 詩人を目指された作者だけのことがあって、声に出して読めば読むほど名文。声高に反戦を叫ぶわけではないが、こんなふうに淡々と運命を受け入れて静かに耐えてきた人たちが、実は圧倒的な多数派だったのではないかと思う。もっと早く読むべきだったかもしれない。泣けるわけでもないけれど、軍馬や中国の奥地で見つけた春蘭の話など、しみじみと心にしみる。

 角田光代『おまえじゃなきゃだめなんだ』読了。

おまえじゃなきゃだめなんだ.jpg

 短編集。しかも、ジュエリーがテーマというので、なんとなく「引く」かなあと思ったが、全部が全部引くようなものではない。確かに恋愛小説集だが、作者一流のひねり(ひねくれ)が利いていて、唸らされる作品が多い。が、実際のところ「恋愛」と「執着」の違いは何なのか、いまだよくわからないのが、ますますよくわからなくなる。

 中島らも、小堀純『せんべろ探偵が行く』読了。

せんべろ探偵がいく.jpg

 もしかすると、文庫版になる前に読んだかも。まあ、それはいいけれど、中島らも先生、この作品からほどなく亡くなっている。まあ酒のせいで死んだようなもの。「せんべろ」、若いうちはいいけれど、50過ぎてからやるもんじゃないだろうなあ。それにしても、このころの「せんべろ」の店、すでに閉店しているところがけっこう多い。残念だが、時代だよね。実際、ほんとうにひとり1000円以内に収まっているところはほとんどないけど。


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コメント 2

ChatBleu

出たっ!せんべろ探偵。
飲めないけどそういうのって面白そうって思っちゃう。
by ChatBleu (2016-12-23 09:52) 

あーる

ChatBleuさん
安い飲み屋の情報を知ることは、酒飲みにとっては重要事項ですが、確実に死期を早めるというか……実証されてるし。
by あーる (2016-12-23 15:26) 

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