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ロードノベル [本]

 絲山秋子『逃亡くそたわけ』読了。

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 精神病院を抜け出した二人の逃避行という、なんだか見方によっては悲惨極まりない感じだが、痛快。スピード感が気持ちいい。九州弁のセリフの強さも面白いが、やっぱり作者自身も一度は病んだことからくる(?)リアリティが、さらに重厚な仕上がりにしているのかな。


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小説としては…… [本]

 陳全ほか『マレーシア抗日文学選』読了。

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 原不二夫先生らの手による翻訳。確かに、当時の状況を伝える文学ではあるけれど、小説としてはもう一つ面白くなくて、読んでて少し退屈。

 町田康『リフォームの爆発』読了。

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 猫たち、犬たちのための自宅のリフォームを小説(?)にした作品。フィクションかノンフィクションか、はたまたその交錯……よくわからないけど、実際にリフォーム業者が入ってから、格段に面白くなる。 


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9作目じゃ…… [本]

 S・J・ローザン『シャンハイ・ムーン』読了。

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 何となくタイトルで借りたら、このリディア・チンシリーズはもうこの作品で9作目。これだと、何となくお約束がわからなくて、乗り切れない感じ。『アウシュビッツの……』を読んだあとで、ここでも亡命ユダヤ人が出てきて、何となくつながった感じはしたが、最後まで何となく乗っかりきれずに終わってしまった。かといって、このシリーズを第1作から読み返そうともあまり思わないけど。

 奥村高明『エグゼクティブは美術館に集う』読了。

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 なんでこんな鼻持ちならないタイトルを付けてしまったのかと思うが、なかなかの良書。元学芸員で、美術教育や観客動員に苦労した人の本なので、とても面白い。そうか、やっぱりばんばんCM打っている展覧会って、あんまり人が入っていないんだ……。


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パワー回復 [本]

 西原理恵子『サイバラの部屋』読了。

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 いろんな人との対談があって面白かった。鴨ちゃんが亡くなってからの本なんだな。一時期よりもだいぶパワーを回復している。この人は、子育てにしろ何にしろ、いろいろ貪欲で楽しい。
 とにかく女も自分で稼げ、という思想が非常にまっすぐでわかりやすい。まー、ほかの部分はかなり好き嫌いはわかれそうだけど。

 アントニオ・G・イトゥルベ『アウシュビッツの図書係』読了。

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 実話に基づいてフィクションで肉付けをしたというが……とても悲惨な話なのに、何か希望があって案外楽しく読めてしまった。捕えられたユダヤ人にも、捕えた側のSSにも、実にいろいろな人がいて、それぞれ個性があるわけで……極限状態に置かれた中にも人間らしい感情があふれている。 
 それにしても、これ、チェコ語とは言わなくてもドイツ語からの翻訳家と思ったら、スペイン語で出ている本だったとは! なんか不思議。


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いつもより軽いか [本]

 三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』読了。

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 軽快で面白いけれど、なんというか、もう一つ浅くて、いつもの三浦しをん作品ほどは楽しめなかったかなあ。


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市井のテロリズム [本]

 貫井徳郎『私に似た人』読了。

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 直木賞候補作で、受賞は逃しているが、とてもよくできた連作短編。途中けっこうぞっとする場面が多くて、最後の話でなんとなく救われるという展開。ただ、小口テロの大元がこの人っていう展開は、ちょっと無理があるような……。何にしても、かなり面白かったので、〇だけれど。

 額賀澪『ヒトリコ』読了。

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 昔自転車で回った霞ヶ浦周辺に住んでいる作者。そして、学生時代の最初の下宿で一緒になった茨城から来た先輩の言葉、「それ、ごじゃっぺでしょう?」がたくさん出てきて懐かしい。ただのいじめ・いじめられではなく、「関わりたくない人には関わらなくていい」というスタンスを貫く少女というのは、それはそれで立派だし、変に慣れ合いの大団円になっていないところが面白いかも。

 竹宮恵子『少年の名はジルベール』読了。

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 元祖BL。今はすっかり大御所になられて、大学で教えたりもされているが、確かに70年代にあの内容で少女漫画に掲載しようとしたら、たいへんな物議だろうなあ。しかし、あの名作『ファラオの墓』が、『風木』を掲載させるための布石だったとは! 周囲の漫画家さんにも懐かしい大御所の名前がずらりで、好きな人にはたまらない。でも、☆内すずえ先生とか文☆今日子先生とかは名前が出ていなかった。派閥もあったりしたのかなー。それにしても、やっぱり萩尾望都先生は当時から別格扱いだったのね。


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なんかめっちゃ怖い [本]

 佐野洋子『役にたたない日々』読了。

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 66歳から69歳の間に(?)書かれたエッセイ。痛快な毒舌。ボケることにおびえながらも、頭はしっかりと覚醒している。この歳になったら、もう好きなこと言って、できる限り好きなことやって、日々精いっぱい生きていていいんだなあと思う。すがすがしい。

 田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』読了。

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 水戸に行く鈍行列車の中で読了。真昼間の列車の中だからいいようなものの、ところどころ涙目になるくらい怖かった。山に入るときは、絶対タバコとにんにく、それに唐辛子かなんか持って入ろう。キツネもタヌキも化かしにくるし、それよりも何よりも、何とも説明のつかない怖いものがたくさんやってきそうだ!! こわいいいい。

 金原ひとみ『持たざる者』読了。

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『蛇にピアス』の鮮烈な印象(というか、何だこの若い娘はという異様な雰囲気)とはかなり違った印象だけれど、これはトーホグ人が読んだら、まずブチ切れる。パリに移住するのは勝手だし、小説として面白くないこともないけれど、連作短編の最初の部分は、何とかならんのか。どちらにしてもあまり共感はできない作品。


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なんかちょっと怖い [本]

 モーリス・センダック『まどのそとのそのまたむこう』読了。

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『かいじゅうたちのいるところ』で有名なモーリス・センダックの絵本可愛い中に、グロさがあってまた……それにしても、ゴブリンが不気味で怖い。 


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笑ったり考えたり [本]

 サンキュータツオ『ヘンな論文』読了。

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 何となく、「こんな書き方はいかんよ」「つじつまが合わないでしょ」的なダメだし本かと思っていたのだが、全然違って、面白い論文をいろいろなところからほじくり起こして紹介してくれている本だった。面白い! 猫のいやし理論とかカップルの距離とか、大真面目に研究するのって、本当に面白い。何の役に立つのかはともかく。

 サラ・パレツキー『沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択』読了。

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 シカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーの生みの親の書いたエッセイ。9.11以降のアメリカにおける「愛国者法」成立から以後の恐ろしさや、探偵誕生のいきさつ、アメリカにおける女性の立場等、非常に興味深く読んだ。特に怖かったのは、図書館を通じた思想調査。日本は、たとえ共謀罪ができてしまっても、それだけはやっちゃダメだと思う。

 有川浩『三匹のおっさん ふたたび』読了。

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 ラノベ風の表紙を忌み嫌う割に、この須藤真澄さんの絵は好きだったりして。挿絵もあって楽しい。
 なんといってもこれは、あとがきを北大路欣也が書いているのがまた、内容以外のもうひとつの白眉かも。楽しんでやってるんだなあ、やっぱり。

 楊逸『蚕食鯨呑--世界はおいしい「さしすせそ」』読了。

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 あの、楊逸さんのエッセイ。しかも、食べ物の話というから楽しい限り。ハルピン生まれの彼女が日本に来て食べたものから、故郷のロシアのパン、そしてほかの国々で食べたものなど、実に美味しそう。食いしん坊だから書ける、自分で料理をするから書ける、鋭い感覚があるから書ける。それにしても、うまく書かれた食べ物本って、本当に読んで楽しいんだよなあ。西園寺公一の中国グルメ本を読みながら残業飯を食べたのを思い出す。



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師匠のこと [本]

 立川談春『赤めだか』読了。

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 タイトルから、ミステリにおける赤ニシンのようなものかと思ったら、全然違った。
 自分のことというよりも、偉大な奇人・立川談志を描いている。なんかなあ、すごいけど、付き合おうと思ったら大変だろうなあ。志らくや志の輔、亡くなった兄弟子たち等の話も書いてあって興味深かった。ほかの弟子の本も読んでみようっと。で、これもすでに映像化されていたんだねえ。


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